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名城大学研究データ管理ポリシー

名城大学研究データ管理ポリシー

名城大学(以下「本学」という。)は、立学の精神「穏健中正で実行力に富み、国家、社会の信頼に値する人材を育成する」のもと、研究ミッションを「学問の探究と理論の応用を通して、成果を教育と社会に還元する」と定めて、研究活動を推進している。そこで収集又は生成される貴重な研究データの価値を守り、かつ高めるため、本学は研究データの適切な管理(保存・公開などを含む)を推進することを目的とし、名城大学研究データ管理ポリシー(以下「本ポリシー」という。)を以下のとおり定める。
    (研究データの定義)
  1. 本ポリシーが対象とする「研究データ」とは、本学における研究活動の過程で研究者によって収集又は生成された情報を指し、デジタルか否かを問わない。
  2. (研究データの管理)
  3. 本学は、原則として、研究データを収集又は生成した研究者がその研究データの管理を行う権利と責務を有していることを認め、研究者は、研究データの価値を守るため、それぞれの研究分野とデータの特質を踏まえ、その法的及び倫理的要件に従って研究データの管理を実施する。
  4. (研究データの公開)
  5. 研究者は、それぞれの研究分野とデータの特質を踏まえ、その法的及び倫理的要件に従って、可能な範囲で社会に研究データを公開し、その利活用を促進する。
  6. (大学の責務)
  7. 本学は、研究者が行う研究データの管理(保存・公開などを含む)を推進するための環境を整備する。
  8. (その他)
  9. 社会や学術状況の変化に応じて、適宜、本ポリシーの見直しを行うものとする。

名城大学研究データ管理ポリシーの解説

(前文)

名城大学(以下「本学」という。)は、立学の精神「穏健中正で実行力に富み、国家、社会の信頼に値する人材を育成する」のもと、研究ミッションを「学問の探究と理論の応用を通して、成果を教育と社会に還元する」と定めて、研究活動を推進している。そこで収集又は生成される貴重な研究データの価値を守り、かつ高めるため、本学は研究データの適切な管理(保存・公開などを含む)を推進することを目的とし、名城大学研究データ管理ポリシー(以下「本ポリシー」という。)を以下のとおり定める。

本学においても文理問わず貴重な研究データが日々蓄積されているが、それらを適切に管理することは、本学の研究者による学術成果の価値を守るために必要不可欠である。さらに、それらを適切な形で公開することは、学術の更なる発展や研究成果の社会還元など、新たな価値の創造に繋がる。そこで、本学は研究データの適切な管理(保存・公開などを含む)を推進することを方針に定める。

学術機関での研究データ管理の導入目的は多様である。大学 ICT 推進協議会「学術機関における研究データ管理に関する提言」では、学術機関における研究データ管理の導入目的の実際として以下の8項目をあげている。

  • ・機関内学術成果の発信と社会連携による「開かれた学術」の実現
  • ・研究広報と外部連携促進による学術機関の認知度向上
  • ・機関内研究者向け研究インフラの整備による学術機関の研究力強化
  • ・研究データ公開による研究助成機関や国際学術雑誌からの要請への対応
  • ・学術研究成果の根拠データの保存・管理による研究データ 10年保存ルールへの対応
  • ・研究証跡の保存・管理による研究者の保護と機関のコンプライアンス強化
  • ・研究データの長期保全と利用提供による学術の継承
  • ・研究データの教育利用による学生のデータスキルの向上

本学においても上記の8項目に着目し、これらの観点から研究データの管理、公開及び利活用は本学にとって取組価値の高い事業であると認識して、名城大学研究データ管理ポリシー(以下「本ポリシー」という。)を制定する。 本学は総合大学であり、研究分野及び研究者が多様であることから、研究データの管理、公開及び利活用に関して一律に扱うことは困難である。本ポリシーでは基本的な方針を示し、詳細は各学部・研究科等において定めることを可能とする。

(研究データの定義)

1.本ポリシーが対象とする「研究データ」とは、本学における研究活動の過程で研究者によって収集又は生成されたすべての情報を指し、デジタルか否かを問わない。

研究データ

「研究データ」とは、研究の過程、あるいは研究の結果として収集・生成されるデータを指す。デジタルか否かは問わない。また、収集又は生成したデータのみならず、それらを解析、加工して作成したデータも含まれる。 具体的に研究活動で生じる、又は取り扱うデータとしては、「観測データ」、「試験データ」、「調査データ」、「実験ノート」、「メディアコンテンツ」、「プログラム」、「標本」、「史資料」、「論文」、「発表予稿」、「講演資料」等がある。 加工過程に着目すると、「生データ」、「加工データ」、「二次データ」、「最終データ」等のタイプがあり、データ種別に着目すると、「数値データ」、「テキストデータ」、「画像データ」、「音声データ」、「マルチメディアデータ」、「データベース」、「ソースコード」等のタイプがある。

(参考)JPCOAR「RDM トレーニングツール」における定義
https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/records/34
本学の研究者が、以前に在籍した機関で収集又は生成した研究データであっても、本学在籍中にこれらを保存・利用している場合は、本ポリシーの対象となる。

研究者

「研究者」には、本学の専任教員のみならず、本学において研究活動に従事する者を含み、学生であっても、研究に関わるときは「研究者」に準ずるものとする。学部及び大学院で研究の指導を受ける学生・研究生も本ポリシーの対象となる。これら学生・研究生は、研究指導教員等の指導に基づき研究データの管理を行う。また、ポスドクや研究員においては、受入教員の指示に基づき研究データの管理を行う。 他機関(大学、民間企業、その他機関)に所属する研究者等との共同研究等を本学において実施する場合、他機関に所属する研究者等を、それらの者が所属する機関との協議の上、本ポリシーにおける「研究者」に含めることができる。

(研究データの管理)

2.本学は、原則として、研究データを収集又は生成した研究者がその研究データの管理を行う権利と責務を有していることを認め、研究者は、研究データの価値を守るため、それぞれの研究分野とデータの特質を踏まえ、その法的及び倫理的要件に従って研究データの管理を実施する。

研究データを収集又は生成した研究者

研究データの管理(保存・公開などを含む)については、当該研究データを用いて研究を実施している研究者の判断を尊重することが妥当である。一方で、研究データの完全性・正確性・追跡可能性の確保等、研究データの適切な管理は、当該研究データを用いて研究を実施している研究者の責務でもある。 以上のことから、研究データの管理を行う権利と責務は、原則として、当該研究データを収集又は生成した研究者が有することとする。 ただし、複数の研究者が共同して研究を実施する場合には、関係者と協議の上、研究データの管理に関する権利と責務の所在を明確にしておくことが望ましい。 他機関(大学、民間企業、その他機関)に所属する研究者等と共同研究等を実施する場合は、本ポリシーの趣旨を踏まえ、研究データの管理に関する権利と責務の所在を契約等において明確にしておくことが望ましい。

研究データの管理

「研究データの管理」とは、研究データの収集・生成、整理・加工、解析・分析、保存、公開・破棄等、研究活動の開始から終了後までを含む研究データに関わる一連の活動全般を指す。研究プロジェクトが行われている間の日々のデータの取扱方法のみならず、どのようにデータを取り扱っていくかの計画(Data Management Plan)の策定、研究プロジェクトが終わった後、そのデータをどうするのかといった長期的なデータの取り扱いも含む。
(参考)JPCOAR 「RDM トレーニングツール」における定義
https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/records/34
「研究データ管理」とは、一般的にある研究プロジェクトにおいて使用された、あるいは生成された情報を、どのように組織化、構造化、保管、管理していくのかを指す言葉。
研究データ管理には次のようなことが含まれる:
  • ・どのようにデータを取り扱っていくかの計画(Data Management Plan)策定
  • ・研究プロジェクトが行われている間の、日々の情報の取り扱い方
  • ・長期的にデータをどのように取り扱うか(研究プロジェクトが終わった後はそのデータをどうするのか)

それぞれの研究分野とデータの特質を踏まえ

「研究データの管理(保存・公開などを含む)」に対する考え方は、研究分野によって異なることが考えられる。 本学は総合大学であり、研究分野及び研究者が多様であることから、研究データの管理(保存・公開などを含む)に関して一律に扱うことはせず、それぞれの研究分野における研究倫理指針等を踏まえ、研究データ管理を実施する。
データ管理において考慮すべき研究分野の特質には、研究対象・研究手法の性質に加えて、研究成果物の出版・提供・利用に関する分野ごとの慣行が含まれる。

法的及び倫理的要件

「研究データの管理(保存・公開などを含む)」にあたっては、データの特質、すわなち、記録された媒体の性質、個人情報・プライバシーに該当するかなど内容の性質、データ提供者の公開・秘匿に関する希望などが十分に考慮されなくてはならない。

(研究データの公開)

3.研究者は、それぞれの研究分野とデータの特質を踏まえ、その法的及び倫理的要件に従って、可能な範囲で社会に研究データを公開し、その利活用を促進する。

法的及び倫理的要件

研究者は、法令、契約、本学が定める規程、各研究分野において要求される倫理的要件等を遵守しなければならない。例えば以下のような研究データについては公開してはならない。
  • ・個人情報、著作物など、法的に保護される研究データ
  • ・機密保持等の観点から公開に制限がある研究データ
  • ・契約によって制限が課された研究データ
  • ・安全保障輸出管理の対象になっている研究データ
  • ・倫理的要件等から公開に適しない研究データ
  • ・公開により第三者の利益を害する恐れがある研究データ 等

可能な範囲で

本ポリシーは、研究分野とデータの性質上、研究者の意思や事情を尊重し、必ずしも管理しているすべての研究データの公開を義務付けるものではない。

公開

本ポリシーにおける「公開」とは、アクセス制限なく誰でも利用を可能とする「一般公開」と、アクセス権を付与された限定された者が利用できる「共有」を指す。研究データの管理・公開・非公開の分類、研究データの公開方法、公開範囲、公開条件、ライセンス等については、研究者自身が決定することができる。ただし、契約等において別段の定めがある場合は、その条件に従う必要がある。研究データの公開に当たっては、FAIR 原則に則ることが望ましい。
(参考)FAIR 原則 Findable:発見可能性
Accessible:アクセス可能性
Interoperable:相互運用可能性
Re-usable:再利用可能性
NBDC 研究チーム(訳) FAIR 原則(「THE FAIR DATA PRINCIPLES 」和訳)(2019) https://doi.org/10.18908/a.2019112601

(大学の責務)

研究データの管理(保存・公開などを含む)を推進するための環境

研究者が適切な研究データ管理(保存・公開などを含む)を実現できるよう、具体的には、以下のような支援を行う。
  1. (a)適切に研究データ管理を行えるデジタルプラットフォームを提供する。
  2. (b)研究データを公開することのできる機関リポジトリ等の公開プラットフォームを提供する。
  3. (c)研究データ管理・公開に関する周知、法務または契約関連等を含む各種アドバイス、教育研修等、研究者に必要な支援を提供する。
  4. (d)本ポリシーを構成員に正しく実施させる。そのための活動を実施・支援する。
  5. (e)部局等において、本ポリシーの趣旨を尊重した上で、研究データ管理・公開に関して独自の実施方針や規程等を策定することを支援する。

(その他)

5.社会や学術状況の変化に応じて、適宜、本ポリシーの見直しを行うものとする。

見直し

研究データの管理、公開及び利活用のあり方は、社会や学術状況の変化による影響を受けることから、本ポリシー(この解説を含む)は、適宜見直しを図ることが必要である。

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