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- <イベントレポート・後編>「大学見本市2026〜イノベーション・ジャパン」に本学から5つの研究テーマと大学発ベンチャー1社が出展しました!
2026年8月27日(木)・28日(金)の2日間にわたり、東京ビッグサイト(南展示棟 南1ホール)にて、国内最大級の産学連携マッチングイベント「大学見本市2026〜イノベーション・ジャパン(Seeds for Tomorrow’s Startups)」が開催されました。
本イベントは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)主催、文部科学省共催のもと実施され、全国136の大学・研究機関から280件にのぼる特許出願済み技術シーズが一堂に出展されました。会期中の総来場者数は11,690名を記録し、会場では研究者自身による熱心な技術解説や実演デモを通じて、企業関係者や研究者との活発な交流が行われました。
本学からは、5つの研究テーマと、本学の研究成果をもとに設立された大学発ベンチャー1社が出展しました。
本記事では、後編として、残る2つの研究テーマと、大学発ベンチャー「株式会社花酵母factory」の展示の様子を紹介します。
出展研究テーマ&会場展示レポート
4. 細胞の距離把握機構に着想を得た新規中心線検出法の活用
農学部 応用生物化学科 奥村 裕紀 教授
・技術概要:
複雑で不均一な形状を持つ対象物の構造上の特徴を、迅速かつ正確に把握する技術が求められています。そこで、多細胞生物が組織を形成する際に、細胞同士の位置関係を把握する仕組みに着想を得た画像処理技術を開発しました。図形の輪郭画素の中から一定距離以上離れた2画素を選択し、それらの中央にある画素を選択する操作を繰り返すことで、図形の中心線を抽出します。複雑な図形の中心線検出や高速処理に適しており、農畜産物・食品など生物試料の不均一な形状の評価(繊維の太さ、分岐の頻度など)から、LiDARやカメラ画像を用いた物体の追跡・移動体の経路探索まで、幅広い分野への応用が期待されます。
・当日の展示内容:
会場では、LiDAR(距離センサー)で取得した周囲空間の断面画像やカメラ画像をプログラムに読み込ませ、中心線をリアルタイムで検出する試作装置を用いた実演デモを行いました。
・出展の感想:
複雑な形状をした素材の構造の測定や船舶の衝突回避、レンズ配置の品質管理など、企業の方々から具体的な活用案をご提案いただき、本技術の幅広い可能性を実感しました。また、過去にウェブミーティングを行った企業の別部署からも関心を寄せていただくなど、新たな交流につながる機会となりました。継続的な展示・発信を通じて、企業との信頼関係を深め、技術の社会実装につなげていきたいと考えています。


5. 未来の完全自動運転の要!マイクロ慣性センサの超高精度化
理工学部 メカトロニクス工学科 畑 良幸 准教授
・技術概要:
自動車やロボットなどの完全自動走行に向けて、低コストで高精度な慣性センサ(加速度センサ・角速度センサ)が求められています。そこで、半導体製造技術を活用したMEMS技術により、慣性センサの低コスト化と超高精度化を実現する技術を開発しています。加速度センサでは空気分子ノイズの低減とフィードバック制御により、応答性確保と高精度化を両立しています。また、角速度センサではワイングラスのような振動モードを誘発することで、超高感度化を図っています。スマートフォン用センサより桁違いに高精度でありながら、安価に作製できるため、自動車やロボットなどの自動走行への普及が期待されます。
・当日の展示内容:
会場では、半導体プロセスで実際に作製された各種MEMSセンサチップを展示し、顕微鏡を使って微細構造を観察できるコーナーを設けました。また、加速度センサの出力の様子をデモ動画で紹介しました。
・出展を通して:
人の動作検知・推定技術への関心も高く、多くの来場者から質問が寄せられました。説明にあたった学生にとっても、自身の研究を客観的に見つめ、新たな視点を得る貴重な機会となったと思います。今回の経験や学生からのフィードバックを、今後の展示や研究活動の改善につなげていきたいと考えています。


【大学発ベンチャー出展】 ~酵母菌にも産地を!花から始まる発酵イノベーション~
株式会社花酵母factory 代表取締役 金子 優平
本学農学部 加藤 雅士教授の研究成果をもとに設立された大学発ベンチャー「株式会社花酵母factory」が展示に参加しました。
同社は、選択培地による分離技術と遺伝子検査による菌種同定技術を組み合わせた独自のスクリーニング手法を用いて、自然界の花から野生酵母(花酵母)を分離・採取しています。花の種類や採取場所によって異なる発酵特性を持つ花酵母を活用し、これまでにない個性ある商品の開発に取り組んでいます。
株式会社花酵母factoryの特色
・多領域での製品開発と一貫支援:
分離した花酵母の特性を活かし、パン・菓子、酒類など幅広い分野で企業との共同開発を推進しています。酵母の採取から利用、製品化までを一貫してサポートし、パートナー企業の新規ブランド創出や高付加価値化に貢献しています。
・地域活性化・特産品開発への貢献:
地域の花から酵母を採取することで、地域固有のストーリーを持つ「町おこし」や「特産品開発」への展開も可能です。
・全国コンテストで三冠を獲得:
同社が手掛けた「グルテンフリー米粉パン」は、全国コンテストにおいてグランプリ・マイ米粉パン賞・グルテンフリー賞の三冠を受賞しました。米粉パンにとどまらず、花酵母の香気・風味特性を活かした新たなモノづくりに挑戦しています。
・当日の展示内容:
会場では、花酵母を活用した製品や取り組みを紹介しました。また、展示1日目の夕方に開催された意見交換会では、実際に花酵母を使ってつくられたパンが会場内でふるまわれ、参加者はその豊かな味や香りを楽しみながら交流を深めました。
今回の展示を通じて、本学の多様な研究成果や大学発ベンチャーの取り組みを広く紹介するとともに、企業関係者や研究者との交流を深める機会となりました。
2日間の出展を終えて
今回の「大学見本市2026~イノベーション・ジャパン」では、本学が取り組む幅広い分野の研究成果と、大学発ベンチャーによる事業化の取り組みを紹介しました。多くの企業関係者や研究者の方々にブースへお越しいただき、研究内容について活発な意見交換が行われました。
今回の出展を通じて、本学の研究成果を社会のさまざまな課題の解決につなげる可能性を広く発信するとともに、共同研究や技術の社会実装に向けた新たな交流の機会を得ることができました。
今後も、研究成果の発信と産学連携を通じて、社会への還元を目指していきます。






