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【採択研究紹介】移動と孤立に関する研究

公開日時:2026.05.01
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プロジェクト部門 令和8年度若手研究者支援事業費 研究代表者:髙橋 香苗(人間学部・助教)

研究内容・今後の展望

 転勤などに伴う地域移動は個人や家族の関係性にどのような変容をもたらすのだろうか。とりわけ、転勤に帯同するという望まぬ移動を経験する家族は、移動によって生じる生活基盤や人間関係の断絶をどのように認識し、いかに関係を編み直していくのだろうか。

 これまで私は、社会において周縁化されやすい人々に関心をもち、ギャルママ研究を通じて、母親らしさという規範が逸脱とみなされる人々をいかに周縁化するのかを明らかにしてきた。地域移動を経験した人々もまた、移動先において一時的に「よそ者」として位置づけられ、孤立のリスクにさらされる存在である。自分自身も転勤族として育ち、見知らぬ土地で生活を始めた経験から、こうした人々の実践に関心を抱いた。

 今後は、名古屋市内の子育て支援施設等と連携したアンケート調査およびインタビュー調査を通じて、移動に伴う孤立のリスクや関係性の再編プロセス、キャリア選択への影響を明らかにする。特に、移動直後のネットワークの喪失から新たな関係形成に至るまでの時間的プロセスに注目し、孤立がどのように生じ、どのように緩和されていくのかを丁寧に捉える。これにより、移動を前提とした社会における孤立の生成メカニズムを捉え直し、定住を基準とした制度や政策の再検討につなげたい。本研究は、移動と定住を二項対立的に捉える従来の視点を相対化し、現代社会における生活のあり方を再考する契機となるだろう。

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