研究活動ニュース
2024年12月18日(水)に「第2回おいしい米粉パンコンテストinやまがた」の最終審査会が、ホテルメトロポリタン山形(山形県山形市)で開催されました。名城大学農学部・応用生物化学科の加藤雅士教授・志水元亨准教授らの研究グループが開発した『花酵母パンの素』を使用し、愛知県碧南市のBakeshop Sol Sol(ベイクショップ ソルソル)が製造した『花酵母のカンパーニュ』が、全国から集まった111点のなかからグランプリを受賞しました。
Bakeshop Sol Sol(代表:片山 幸寛氏)は、米粉を主原料としたグルテンフリーパンの開発・製造・販売をしています。代表の片山氏は、小麦を主原料としたパンが食べられない家族がいたことで、その子でも食べられるような、カラダにやさしいパンを作ろうとしたことをきっかけに、米粉パンの開発を始めたそうです。Bakeshop Sol Solの米粉パンは、小麦アレルギー対応というだけでなく、おいしさにもとてもこだわって作られています。
花酵母は花から取れる希少な天然酵母です。名城花酵母を使用したパンは、添加物を入れることなく、シンプルな材料で保水力が高く、香りと食感の良いものとなります。そのうえ、膨らみにくく、硬くなりやすいグルテンフリーの米粉パンに効果が大きいことが分かりました。本学卒業生の金子優平氏(H27年修士卒)が架け橋となって、Bakeshop Sol Solの米粉パンと名城花酵母が出会い、『花酵母のカンパーニュ』が生まれました。
<『花酵母のカンパーニュ』の紹介(コンテスト説明文より)>
名城大学の花酵母を利用した世界初のグルテンフリー天然酵母パン。天然酵母をブドウジュースで培養、まるでぶどうが入ってるかのような香り、食べだしたら止まらない、芳醇な香りと品のある甘みが口の中に広がるパン。グルテンフリーパンだと全くきづきません。小麦にはない、小麦に負けないくらいの旨味と香りも楽しめるパンです。
『花酵母のカンパーニュ』はグランプリのほか、グルテンフリー賞・マイ米粉パン賞も同時に受賞し、大変高い評価を受けました。2025年2月には、山形市で表彰式と販売会が行われる予定です。
第2回おいしい米粉コンテストinやまがた
https://yamagata-komeko.jp/komekopan2024/
加藤教授と志水准教授が所属する応用微生物学研究室では、いろいろな花から新しい天然酵母を分離して研究を進めています。大学オリジナルブランド清酒「華名城(はなのしろ)」もその1つです。
加藤教授らの研究グループによる「パンをふわ・もち・しっとりに仕上げるパン種『花酵母パンの素』の事業開発」は、東海地区の大学コンソーシアムによる起業家育成プロジェクト「Tongali」*1による「令和5(2023)年度 大学発新産業創出基金事業 スタートアップ・エコシステム共創プログラム GAPファンドプログラム『ステップ1』」*2に採択されています。現在、金子氏を中心として、名城大学発スタートアップ企業「花酵母ファクトリー(仮称)」の設立に向けて準備を進めているところです。
関連リンク
*1 Tongali (東海発アントレプレナーシップ教育 起業支援プログラム)ー Tongali X 起業支援
*2 令和5(2023)年度 大学発新産業創出基金事業 スタートアップ・エコシステム共創プログラム GAPファンドプログラム『ステップ1』