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- <イベントレポート>T-GExリトリート合宿に野崎 佑典 准教授と髙橋 香苗 助教が参加(2026/8/20-21)
「世界的課題を解決する知の『開拓者』育成事業(T-GEx)」では、2026年8月20日(木)、21日(金)に「2026年度 リトリート合宿」が開催されました。本合宿は、T-GExに参画する研究者(フェロー、アソシエート、企業アソシエート)が一堂に会し、分野や所属の垣根を越えた交流を通じて相互理解を深めることを目的としています。
今年度は「あなたの研究に、”出口”はあるか。」をメインテーマに掲げ、学術界と産業界の視点の違いを体感しながら、社会実装への道筋(出口戦略)を問い直す有意義な機会となりました。
1日目は「導入編:失敗から学び、あなたの研究を問い直す」と題し、TKPガーデンシティ PREMIUM名古屋駅前にて、計17名の研究者が参加して熱いディスカッションが行われました。本学からは情報工学部の野崎 佑典 准教授と人間学部の髙橋 香苗 助教が参加しました。
本記事では1日目の様子を中心にお伝えします。
T-GExの詳細はこちら
1日目
アイスブレイク「研究成果の社会実装とは?」
最初のプログラムでは、参加者の自己紹介と研究紹介を兼ねて、アカデミアと企業における「出口(社会実装)」の捉え方の違いについてカジュアルな議論を行いました。各グループからは、研究者たちの経験に基づいた以下のような深い気づきや意見が共有されました。
グループA:目標や指標の違いと共通の価値
アカデミアの「論文・引用数」と、企業の「事業化・利益創出」という評価指標や目標の違いが整理されました。一方で、両者に共通するのは「社会や誰かに価値・影響を届けること」であるという本質的な共通認識に達しました。また、引用数は単なる知名度ではなく、研究成果の再現性や信頼性が認められて広く活用されている指標でもあるとの指摘がありました。
グループB:それぞれの強みと役割分担
社会実装における役割分担について、大学は「ゼロから1」を生み出すシーズ創出を、企業は「1から10・100」へと発展させる事業化や市場適応を担う傾向があると整理されました。企業は事業化の確度を求められるため挑戦的な研究が難しい一方、アカデミアは将来の用途が不明な新しい現象や知見の探究に挑戦できる点が強みであると確認されました。
グループC:社会への普及アプローチと連携の重要性
社会実装や分野形成を果たすには、論文発表のみにとどまらず、標準化やデモ開発など、多様な形で成果を社会へ広げていく活動が重要であるとの意見が出されました。さらに、研究や事業を発展させるためには、人脈形成や信頼関係の構築を通じて多くの関係者を巻き込むことが不可欠であり、産学が連携する上でもお互いの立場や目標の違いを理解し、尊重しながら協力していくことの重要性が共有されました。
企画1「この技術は本当に必要とされていますか?」
午後からのメインワークでは、社会実装に至らなかった研究を題材に、研究成果を社会へ届けるための出口戦略を検討しました。
ワークは2段階で展開され、まず各グループに配られた実際の事例を対象に、なぜ社会に届かなかったのか、ニーズやコスト、規制、倫理などの「出口戦略の要素」からその要因を多角的に分析・発表しました。続いて、課題に対して「QOL(生活の質)の向上」をテーマに据え、真に求められている出口を再設定して具体的な社会実装案へと集約し、その戦略を発表し合いました。

1日目を終えて
1日目の導入編プログラムを通じ、参加者はカジュアルな議論から本格的な要因分析、そして出口戦略の立案までを体験しました。学術界と産業界の「出口」に対する認識の差を体感しながら、お互いの理解を深め、2日目の実践編(ホーユー株式会社 総合研究所)に向けた非常に強力な土台が築かれました。
プレゼンテーション表彰
2日目のグループディスカッションでは、各グループによるプレゼンテーションに対する表彰が行われました。本学の野崎准教授が参加したグループは、「最優秀賞」と「ホーユー賞」の2つを受賞しました。


合宿を通して:
野崎佑典 准教授(情報工学部・情報工学科)
合宿1日目では、研究の出口としての社会実装について議論しました。この議論では、社会実装を「社会の誰かに使われ、価値が生まれ、継続している状態」と定義し、自身の研究分野や他の研究分野での社会実装がどのようなものかを共有し、分野による違いや分野によらない共通の価値観を知ることができました。今回の合宿を通して、自らの研究の社会実装について改めて考える良い機会となりました。

T-GExでは、研究成果の社会実装を含めた、分野を超えた「知の融合」を促進していくとのことです。本学においても、今回の合宿で得られた異なる視点や新たな連携ネットワークを活かし、今後も分野を超えた共同研究への挑戦や、研究成果の社会実装・実用化に向けた取り組みを推進してまいります。
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