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- <レポート>リチウム電池内の正極の電子状態解析に「NanoTerasu」を利用(2025/10/04)
理工学部・教養教育の土屋 文 教授・片岡 啓介 助教らの研究グループは、これまでマイクロイオンビームを用いて、充放電時におけるリチウム電池内の正極材料であるコバルト酸リチウム(LiCoO₂)中のリチウムイオン挙動を、その場(オペランド)で調べています。今回は、「NanoTerasu(ナノテラス)」 のXAFS(X線吸収微細構造)ビームラインを用いて、LiCoO₂中の各元素の電子状態を調べ、リチウムイオン移動における電荷補償の解明を目的として実験を行いました。
NanoTerasuでの実験
当日は、土屋 教授、片岡 助教のほか、研究室所属の寺沢さん(修士課程2年生)、鈴木さん(学部4年生)が実験を行いました。測定に使用したサンプルは、事前に研究室で準備したものを持参し、NanoTerasuの試料ホルダーにセットして電子状態の測定を行いました。取得したデータは研究室に持ち帰り、詳細な解析を行った後、マイクロイオンビームによる測定結果と統合し、リチウム電池正極材料の電子状態解明をさらに推進していく予定です。
最後に
土屋 教授は、「今後、充放電時における全固体リチウム電池の正極材料中のリチウム挙動に対するオペランド解析にNanoTerasuを活用していきたい」と述べました。
また、今回の利用を通じてNanoTerasuの利点を実感できたことから、「今後は他の研究テーマにも積極的にNanoTerasuを活用していきたい」と語りました。
「NanoTerasu」とは
「NanoTerasu」は、東北大学青葉山新キャンパス(宮城県仙台市)に建設された世界最先端の放射光研究施設です。この施設では、放射光と呼ばれる非常に明るく強い光を用いて、1メートルの10億分の1というナノのレベルで物質を観察することができます。
名城大学と東北大学は、2019年にそれぞれの特色や教育研究資源を生かして相互に連携協力し、自然災害等の減災研究や「NanoTerasu」を活用した先端研究等、卓越した学術研究を通した人材の育成や教育の充実に寄与することを目的とした、包括連携協定を締結しています。本学は「NanoTerasu」のコアリションメンバーとなっています。
NanoTerasuの詳細はこちら
本学のNanoTerasuの活用事例はこちら
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