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<レポート>「名城花酵母」パンのおいしさの解明に「ナノテラス」を利用(2025/2/18)

公開日時:2025.02.28
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ナノテラス(NanoTerasu)について

 

「ナノテラス」は、東北大学青葉山新キャンパス(宮城県仙台市)に建設された次世代放射光施設で、1メートルの10億分の1というナノの世界を観察することができる世界最高水準の大型施設です。

名城大学と東北大学は、2019年にそれぞれの特色や教育研究資源を生かして相互に連携協力し、自然災害等の減災研究や「ナノテラス」を活用した先端研究等、卓越した学術研究を通した人材の育成や教育の充実に寄与することを目的とした、包括連携協定を締結しています。本学は「ナノテラス」のコアリションメンバーとなっています。

ナノテラスの詳細はこちら

 

「名城花酵母」を使用したパン

 

加藤教授・志水准教授らの研究グループは、花から採れた天然酵母である「花酵母」を研究。この「花酵母」を製造に使用した米粉パン「花酵母のカンパーニュ」が、2024年12月、山形県が主催する米粉パンのコンテストでグランプリを受賞しました。添加物を入れることなく、”ふわふわ”で、”もちもち”の食感などが評価されました。今回、この食感についてナノテラスを利用して解明することに臨みました。

 

ナノテラスでの実験(2025/2/18)

当日は、加藤教授・志水准教授と研究室の森さん(博士課程1年)、吉田さん(4年生)が実験を行いました。

グランプリを受賞した「名城花酵母」を製造に使用した米粉パン「花酵母のカンパーニュ」と、一般的な「パン酵母」を製造に用いた米粉パンを準備しました。

 

 

それぞれの米粉パンにX線を照射し、可視化(イメージング)した結果をモニターで確認。その結果をもとに、さらなる研究の方針を検討しながら実験を進めました。

「名城花酵母」を使用した米粉パンと一般的な「パン酵母」を使用した米粉パンでは、測定データに明らかに違いが見られ、これまでは、人の直感に頼っていた、”ふわふわ”で”もちもち”の食感を数値化できるデータを得ることができました。

これらのデータは、研究室に持ち帰って詳細な解析を行い、今後の研究に活用していきます。

 

最後に

 

加藤教授・志水准教授は、「今回、可視化(イメージング)できるビームラインを利用し、米粉パンの柔らかさの解明に迫ることができた。今後、X線散乱を測定できるビームラインを利用して、米粉パンの結晶構造変化を捉え、花酵母米粉パンが硬くなりにくい仕組みをナノレベルで解明したい。また他のテーマ(例えば酵素タンパク質の構造解析)などにも、積極的にナノテラスを利用していく」と語りました。

 

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