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- <開催レポート>カーボンニュートラル研究推進機構 第5回研究交流会を開催(2024/8/6)
名城大学カーボンニュートラル研究推進機構は、コアメンバーによる第5回研究交流会を2024年8月6日(火)に対面で開催しました。当日はコアメンバーを中心に28名が参加しました。
コアメンバーは、当機構の3つの研究グループ「政策」「環境」「新素材」のいずれかに属している本学の研究者で構成され、その研究分野は多岐に渡っています。この研究交流会は、研究分野や学部の垣根を越えてコアメンバー間の相互理解を深め、メンバー同士の交流の促進を図ることを目的に昨年2022年度から開催されており、今回で5回目となります。
はじめに、大野栄治機構長(副学長・都市情報学部・都市情報学科・教授)が「設立3年目を迎えた当機構のコアメンバーは、今年度新たに10名が参加され、総勢63名となった。これは、現時点で昨年の新規参加人数をすでに超えており、交流の輪が広がっていることを実感している。昨年度は新たにFS共同研究費の公募を開始し、4件が交付対象となった。本日は、その研究報告に加え、コアメンバー7名の自己紹介を兼ねた研究紹介もあり、大変楽しみにしている」と述べました。
続いて、2023年度FS共同研究費が交付された4件について、研究報告がありました。
1)坂井 健男(薬学部・薬学科・准教授・環境グループ)
共同研究者:輪島 丈明(薬学部・薬学科・准教授・環境グループ)
「合成化合物ライブラリを用いた新規抗菌活性化合物シーズの探索」
2)神藤 定生(理工学部・教養教育・准教授・環境グループ)
共同研究者:田村 廣人(農学部・応用生物化学科・教授・政策グループ)、片桐 誠之(理工学部・環境創造工学科・准教授・環境グループ)
「自立型の水・カーボンリサイクル確立による月面農場の開発~月で餅つきプロジェクト~」
3)平岩 陸(理工学部・建築学科・准教授・環境グループ)
共同研究者:吉永 美香(理工学部・建築学科・教授・環境グループ)
「木材の林内乾燥方法に関する研究」
4)大野 栄治(都市情報学部・都市情報学科・教授・政策グループ)
共同研究者:平野 達也(農学部・生物資源学科・教授・政策グループ)、森 龍太(都市情報学部・都市情報学科・助教・政策グループ)
「住民参加の地域清掃活動と連携したバイオガス発電事業の提案と採算性評価」
それぞれの発表については、異なる研究分野の研究者が参加している研究会ならではの質問や意見がたくさんありました。そのうちのごく一部をご紹介します。
「薬学の分野とカーボンニュートラルは直接的には関連していないように見えるが、将来的なつながりや統合について紹介してほしい」という投げかけに対して、坂井准教授は「今回は抗菌活性がテーマだったが、この化合物の類縁体は実際にマテリアル系に応用されているので、リチウムバッテリーに応用できるのではないかと考えている。また、温暖化などの地球環境が変化すると、新たな感染症の発生も考えられるので、そういった分野でも貢献が可能そうだ」と答えました。
また、『木材の林内乾燥方法に関する研究』について報告した平岩准教授には「木材に含まれるリグニンを分解できる酵素を研究しており、うまくいけばバイオプラスチック原料の生産につなげられるのではないかと考えている。一緒に何かできることがあればうれしい」というコメントが、加藤雅士教授からありました。
次に、自身の研究紹介を中心とした自己紹介(1人あたり約5分間)を以下の7名が行いました。
【発表者】
<政策グループ>
田中 武憲(経営学部・国際経営学科・教授)
<環境グループ>
松原 剛(理工学部・機械工学科・教授)
米澤 貴紀(理工学部・建築学科・准教授)
松儀 真人(農学部・応用生物化学科・教授)
細田 晃文(農学部・生物環境科学科・准教授)
<新素材グループ>
永田 央(理工学部・応用化学科・教授)
才田 隆広(理工学部・応用化学科・准教授)
ここでも『カーボンニュートラル』というキーワードのもとにコアメンバーが集まった当機構らしい多岐に渡る研究内容が紹介されました。参加者は興味深く聴講している様子で、それぞれの発表後には参加者から質問の手がたくさん挙がっていました。なかには「ずっとこの分野の研究をしている人を探していた!」というようなマッチングが成立した場面もありました。
その後、事務局から2024年度FS共同研究費の交付が以下のように決定した旨の報告がありました。
1)岡本 誉士典(薬学部・薬学科・准教授・環境グループ)
共同研究者:神野 透人(薬学部・薬学科・教授・環境グループ)、林 利哉(農学部・応用生物化学科・教授・環境グループ)
「培養肉の安全性に関するフィジビリティスタディ」
2)坂井 健男(薬学部・薬学科・准教授・環境グループ)
共同研究者:輪島 丈明(薬学部・薬学科・准教授・環境グループ)
「疑似天然アルカロイドライブラリを用いた新規抗菌活性化合物シーズの探索」
3)細田 晃文(農学部・生物環境科学科・准教授・環境グループ)
共同研究者:土屋 文(理工学部・教養教育・教授・新素材グループ)
「低環境負荷型リサイクルを指向した微生物マイクロコズムによる金属の生物変換」
4)益田 泰輔(理工学部・電気電子工学科・教授・環境グループ)
共同研究者:村上 祐一(理工学部・電気電子工学科・准教授・環境グループ)
「名城大学エネルギーセンターの最適設備計画・運用に関するフィージビリティスタディ」
最後に、小高猛司副機構長(総合研究所長・理工学部・社会基盤デザイン工学科・教授)が「当機構も3年目に入り、各グループリーダーがリーダーシップを発揮し、コアメンバーが能動的に活動していることを大変うれしく思っている。この研究交流会も非常に有意義であり、今後も継続していきたい」と話し、閉会しました。
第6回研究交流会は、10/31を予定しています。