研究活動ニュース
メッセナゴヤは、出展者と来場者相互の取引拡大、情報発信、異業種交流を図る日本最大級のビジネス展示会です。今回は800社・団体以上が出展し、「リアル」と「オンライン」のハイブリッドで開催されました。本学からは、理工学部・応用化学科 丸山 隆浩 教授と理工学部・建築学科 松田 和浩 准教授の2名が「リアル」「オンライン」共に出展しました。ご来場いただいた方には心からお礼申しあげます。
今回は、11月16日(水)~18日(金)の3日間にわたって、ポートメッセなごや 新第1展示館で開催された「リアル展示会」の本学出展ブースの様子をレポートします。
この3日間は天候にも恵まれ、総来場者は41,445名(主催者発表)に達しました。本学ブースにもひっきりなしに訪問者があり、丸山教授・松田准教授をはじめ、各研究室に所属する学生のみなさんも積極的にブース訪問者とコミュニケーションを取っていました。研究内容に興味を持った訪問者だけでなく、本学卒業生や本学キャンパス近辺の企業経営者なども多数立ち寄られ、本学が地域に根差した大学であることを再認識しました。
理工学部・応用化学科 丸山隆浩教授
丸山教授の展示は、丸山教授がセンター長を務めるナノマテリアル研究センターの研究紹介が中心になりました。
ナノマテリアル研究センターは「新規ナノ材料の開拓と創製による名城大学ブランド構築プログラム」が、2017年(平成29年)度私立大学研究ブランディング事業に採択されました。2016年(平成28年)度に採択された「青色LEDを起点とした新規光デバイス開発による名城大ブランド構築プログラム」とのツインブランド体制による協奏的ブランディングを推進してきました。
カーボンナノチューブは、同センターの名誉センター長を務める飯島澄男終身教授が発見した物質です。鉄の10倍以上の強度があり、銅の10倍以上も熱を通し、銅の1,000倍以上も電気を通す、未来の材料と呼ばれています。カーボンナノチューブについては「研究成果トピックス-科研費-」の丸山教授へのインタビュー(https://sangaku.meijo-u.ac.jp/topics/topics-2373/)をぜひご覧ください。
ブースには「新規ナノカーボン構造体の創製」や「オペランドX線吸収分光測定によるカーボンナノチューブの生成メカニズムの解明」をテーマにしたパネル展示や、カーボンナノチューブの構造モデルが多数展示され、ブース訪問者からは色々な質問が飛んでいました。
理工学部・建築学科 松田和浩准教授
松田准教授の展示は、低~高層木質建物の耐震技術開発について多方面にわたる内容でした。
「耐震性・断熱性・施工性に優れた木造住宅用真壁パネルの開発」パネルでは、木造住宅が繰り返しの地震に弱いことに着目して、制振技術で戸建木造住宅の耐震性を効率的に高めることを目指した研究について報告されていました。この研究では、株式会社イノアックコーポレーションとの共同研究において、真壁式複合パネルを開発し特許出願しています。また、「建築非構造部材の耐震性向上に関する研究」パネルでは、地震で建物の構造躰体が破壊されなくても、非構造部材が壊れてしまうと、地震後に建物の継続使用ができなくなり、人命にかかわる被害が生じることもあることから、電気配線用設備(ケーブルラック)の耐震性検証と音楽大ホール特定天井の耐震補強法開発について報告されていました。耐震補強法については国土交通省の大臣認定を取得し、耐震改修が無事終了しています。
ほかにも「CLTを使用した中高層木質架構における損傷制御構造の開発」、特許出願済である「プレストレスで支持材を補強したオイルダンパー木質制振壁の開発」をテーマにしたパネルや、CLT(Cross Laminated Timber:数枚の木板(ラミナ)同士の繊維方向が直交するように積層接着した木質材料)の実物などが展示されており、訪問者の興味をひいていました。
長期にわたるコロナ禍で、オンライン開催がスタンダードになりつつあった展示会も、徐々にリアルでの開催が再開されています。本学も久しぶりの出展となりましたが、ブース訪問者と対面で直接コミュニケーションを取れる喜びは何物にも代えがたいものだと改めて感じました。
本学も、2023年1月11日(水)にウインクあいち8階展示場にて、「名城大学リサーチフェア2022」を開催します。本学の研究力ならびに研究シーズを学外へ向けて公開することで、新たな連携を生み出すことを目的とした、5学部21教員による展示イベントです。今回の「メッセナゴヤ2022」に出展した丸山 隆浩 教授と松田 和浩 准教授も出展を予定しています。皆さまのご来場をお待ちしております。
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