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<レポート>カーボンチェーンの電子状態の解明(炭素K端XAFS測定)に「NanoTerasu」を利用(2026/3/8)

公開日時:2026.03.19
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理工学部応用化学科の丸山 隆浩 教授らの研究グループは、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)内部に一次元カーボンチェーンを高収率で内包・形成する手法を確立し、NanoTerasuのBL08U(SX-XAFS)を用いた炭素K端XAFSによりカーボンチェーンの電子状態解明に取り組んできました(2025年10月31日の実験レポート参照)。

前回の実験では、膜状試料において炭素K端XAFSスペクトルの取得に成功しました。一方、粉末試料についてはBL08Uのビームサイズが比較的大きく、局所的な測定が難しいという課題がありました。そこで今回は、より小さなビームサイズを利用できるNanoTerasuのBL07Uを用い、粉末試料での炭素K端XAFS測定に挑戦しました。

 

 

NanoTerasuでの実験(2026/3/8)

今回の実験では、カーボンチェーンを内包したSWCNTの粉末試料を用い、BL07Uの微小ビームを活かして複数の測定点でスペクトル取得を試みました。これは、試料中でカーボンチェーンの内包量が不均一である可能性を考慮し、局所的な電子状態を比較することを目的としたものです。

実験の結果、SWCNTの試料への放射線のダメージは軽微であることがわかったものの、粉末試料ではチャージアップ現象が発生し、安定したXAFSスペクトルの取得が難しいことが明らかになりました。この結果から、粉末試料の測定においては、試料の導電性や固定方法など、試料調製方法の工夫が重要な要素となることが確認されました。

 

【SWCNTの粉末試料をNanoTerasuの試料ホルダーへセットする様子】
 

最後に

丸山教授は、「前回の膜状試料での測定に続き、今回は粉末試料での炭素K端XAFS測定に挑戦しました。実験の結果、粉末試料ではチャージアップの影響が大きく、試料調製方法の重要性が改めて明らかになりました。今後は導電性を考慮した試料作製方法の検討などを進め、NanoTerasuの高輝度放射光を活かした精密な電子状態解析につなげていきたいと考えています」と述べました。

名城大学では引き続きNanoTerasuを活用した研究を推進し、産学連携による社会実装を目指します。

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