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<受賞>理工学部・宮田喜久子准教授が「日本設計工学会2022年度The Most Interesting Readings賞」を受賞しました(2023/5/27)
理工学部・交通機械工学科の宮田喜久子准教授が、日本設計工学会の2022年度The Most Interesting Readings賞を受賞し、2023年5月27日(土)に慶応義塾大学にて表彰されました。
日本設計工学会とは国内外の設計工学(Design Engineering)に携わる技術者・研究者・教育者の学術団体で、The Most Interesting Readings賞は、毎年同学会会誌である「設計工学」に掲載公表された論文以外の記事のうち、その内容が最も興味深いと認められる記事の著者に贈られる賞です。一般会員の推薦投票の結果をもとに決定されるので、読者の意見がもっとも反映された賞と言えます。
今回受賞対象となった「航空宇宙分野における着陸衝撃応答制御機構でのばねの活用(57巻号:2022年10月号)」は、宮田准教授と名古屋大学大学院工学研究科の原進教授が連名で寄稿した解説記事です。
理工学部の宮田喜久子准教授が(公社)日本設計工学会で2022年度The Most Interesting Readings賞を受賞
https://www.meijo-u.ac.jp/news/detail_28803.html
ばねを活用して軽くて壊れない安全な機構を作る
受賞された解説記事について教えてください
月や小惑星の表面を観察するためにカメラを設置しようとしたとき、メインの機構からカメラを地表に放り投げるように切り離すと、着地の衝撃で狙っていた場所に落とせなかったり、時には宇宙空間に飛び出してしまったりします。特に小惑星は重力が非常に小さいので衝撃の影響が大きくなります。そのため、電力を使わずに飛び跳ねにくいような機構を作ることが大切になります。
そもそも、航空機や宇宙機は安全に対する要求が非常に高いんです。飛んでいる途中に故障しても修理ができないので、壊れにくいことが大前提です。また、浮くためには自分の重さを引き上げる力がないといけないので、軽いと当然有利になります。軽くて壊れなくて安全なものが求められるんですね。
壊れないためには、なるべく複雑ではない単純な構造のものがよいので、積極的に「ばね」を使うことを試みています。地表に落ちた時の衝撃を使って、ビリヤードの玉突きのように「ばね」でおもりを押し出して飛ばすことで、リバウンドの抑制が可能になります。非常に単純な構造なんですが、数値シミュレーションをしてみると、意外とこれが効果的で、ドローンや惑星の探査機にも応用が可能そうです。
日本設計工学会は、宇宙工学がメインというわけではないので、こういった点が読者に目新しく映ったのかもしれませんね。
関連リンク
日本設計工学会WEBサイト
https://jsde.or.jp/wp/
The Most Interesting Readings (MIR)賞
https://jsde.or.jp/wp/award/tmir/