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<プレスリリース>救急患者の「緊急内視鏡の必要性」をAIが早期に見極め 〜当直医の負担軽減と地域医療体制の維持に期待〜 (理工学部・大原賢一)

公開日時:2026.09.28
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上部消化管出血は、緊急内視鏡による止血処置を必要とする緊急疾患であり、迅速で的確な治療判断が患者の予後を大きく左右します。近年の働き方改革の推進もあり、夜間・休日に対応できる専門医の不足が全国的な課題となっており、「どの患者に緊急内視鏡検査、内視鏡的止血処置が必要か」を客観的に見極める仕組みが求められています。

名城大学 理工学部メカトロニクス工学科の大原賢一教授(ロボティクス、医療画像処理)を中心とする研究グループは、名古屋大学 医学部附属病院、名古屋第一赤十字病院、江南厚生病院の消化器内視鏡専門医との共同研究で、血液検査や血圧などの一般的な診療データから緊急内視鏡による止血処置の要否をAI(機械学習)で予測する意思決定支援システムを開発しました。約2,000人分の多施設診療データで検証した結果、従来広く用いられている各種リスクスコアを上回る予測精度を示しました。

本システムは、緊急の止血処置が必要な患者を早期に見分けて治療の優先順位づけを支援するもので、夜間・休日の当直医の負担軽減や、医師が限られた地域での救急医療体制の維持につながることが期待されます。

本研究成果は、2026年8月13日に英国のSpringer Nature社(BMC)が出版する国際学術誌「BMC Medical Informatics and Decision Making」に掲載されました。

 

【本件のポイント】
・非静脈瘤性上部消化管出血注1)の患者について、血液検査や血圧などの一般的な診療データから「緊急内視鏡による止血処置が必要かどうか」を予測するAI(機械学習)モデルを開発した。
・約2,000人分の多施設データで検証し、予測性能の指標であるAUROC注2)は0.822と、国内外で広く使われている従来の各種リスクスコアを統計的に有意に上回った。
・「見逃しの少なさ(感度)」と「精度」のバランスを医療機関の方針に応じて自由に調整できる新しい手法を組み込み、地域や施設の実情に合わせて使える実用的な設計とした。

 


 
【掲載論文】
掲載誌:BMC Medical Informatics and Decision Making
論文タイトル::Decision-support system for emergency endoscopic surgery in nonvariceal upper gastrointestinal bleeding
(非静脈瘤性上部消化管出血に対する緊急内視鏡治療の要否を予測する意思決定支援システム)
著者:Yosuke Kuroda, Nobuhito Ito, Toshihisa Fujiyoshi, Yusuke Satta, Yoji Sasaki, Takeshi Yamamura, Kazuhiro Furukawa, Masanao Nakamura, Hiroki Kawashima and Kenichi Ohara
掲載日:2026年8月13日
DOI:10.1021/acs.jchemed.6c00630
URL:https://doi.org/10.1063/5.0341819

 


【用語解説】

注1) 非静脈瘤性上部消化管出血(NVUGIB):
食道・胃静脈瘤以外の原因(胃・十二指腸潰瘍など)によって起こる、食道・胃・十二指腸からの出血。
注2) AUROC:
予測モデルの性能を表す指標で、1 に近いほど「治療が必要な人」と「必要でない人」を正しく見分けられることを示す。0.5は当てずっぽうと同程度。
 


 
【著者のコメント】
大原 賢一(名城大学 理工学部メカトロニクス工学科 教授)
工学とAIの技術で医療の現場を支えたいという思いから、内視鏡の専門医の先生方と研究を進めてきました。特に苦労したのは、施設ごとに形式の異なる診療データを丁寧に整え、現場で本当に役立つ形
に落とし込むことでした。医師の経験に頼りがちだった判断を、客観的な指標で後押しできる可能性を示せたことを大変うれしく思います。
 


 
プレスリリース本文はこちら

https://www.meijo-u.ac.jp/news/asset/d9d8d8ffdf29964f542f038a40424eac.pdf
 
※グラフィカルアブストラクト(概要図)は生成AIを用いて作成し、研究者が内容を確認しています。
 

 

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