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- <開催レポート>JST「さくらサイエンスプログラム」でインド工科大学ダンバード校から学生らが来学(2025/11/17~12/7)
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の国際青少年サイエンス交流事業「さくらサイエンスプログラム」で招聘されたインド工科大学ダンバード校の大学院生2名と教員1名が、11月17日から12月7日までの日程で本学を訪問しました。
今回の訪問は、「カーボンナノチューブのバイオテクノロジー応用に関する国際共同研究」をテーマとする共同研究活動コース(Bコース)として実施され、国際的な研究交流の促進と、次世代の科学者育成を目的としています。
本学理工学部の丸山隆浩教授とインド工科大学ダンバード校のGiri助教は、2024年以降、相互訪問を通じて交流を深めてきました。今回の訪問では、丸山教授の単層カーボンナノチューブ(SWCNT)合成技術とGiri助教のモデル細胞膜に関する知見を融合し、医療への応用を見据え、モデル細胞膜内に集積可能な構造のSWCNTを合成し、さらに均一に細胞膜中に分散する技術の開発を目指しました。
カーボンナノチューブの合成と分散手法の検討
訪問初日となる17日には、天白キャンパスにて歓迎セレモニーが行われ、参加者同士の交流を深めました。
滞在期間の前半では、大学院生らは、研究実験棟Ⅱの機器分析実験室などで丸山教授らの指導を受けながら、カーボンナノチューブの合成実験による試料作製、ラマン分光測定によるカーボンナノチューブの直径評価、走査電子顕微鏡(SEM)観察による長さの評価などの実習に臨みました。また、あいちシンクロトロン光センターおよびトヨタ産業技術記念館を訪れ最先端の施設を見学しました。
後半では、モデル細胞膜に集積化のための単層カーボンナノチューブの分散手法に関する実験をおこないました。また、単層カーボンナノチューブの透過電子顕微鏡(TEM)観察による評価を行い、最先端のナノ材料研究の一端に触れていました。

おわりに
参加した大学院生からは、「精密な装置のマニュアルが完備され、学部生までが高度な機器を使いこなす研究環境に感銘を受けました。実際に自分で試料を作製できたことは非常に貴重な体験でした。今回の交流を機に、カーボンナノチューブがモデル生体膜や細胞表面とどのように相互作用するかを共同研究で明らかにしていきたいです」との感想が寄せられました。
訪問の総括として、12月6日に成果発表の交流会と修了式に臨み、一行は帰国の途につきました。
この交流を通じて、両国の研究者や学生が協力し合い、未来の科学技術の発展に向けた貴重な交流の機会となりました。今後もこうした国際共同研究や交流活動が、グローバルな科学技術の進展に寄与していくことが期待されます。








