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- <開催レポート>インド・デンプ人文科学大学から学生が来日(さくらサイエンスプログラム)(2024/1/5~20)
インド・デンプ人文科学大学・理学部の学生9名(大学生5名・大学院生4名)と引率教員1名が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「さくらサイエンスプログラム」(SSP)で招へいされ、2024年1月5日~20日の予定で来日しています。
受け入れ担当の丸山隆浩教授(理工学部・応用化学科)はデンプ人文科学大学と以前から交流があり、2018年にも同大学の学生を「さくらサイエンスプログラム」で招へいしています。この時の訪問を機に名城大学理工学部とデンプ人文科学大学理学部は学部間協定を締結し、その後もシンポジウム開催などの交流を継続しています。
今回は、デンプ人文科学大学の学生が作製したナノスケールの物質を、名城大学の最先端の実験装置を用いて分析を行うことにより彼らの研究内容の充実化をはかり、さらに、その物質を本学のナノカーボン材料と複合化して、新たなナノ材料の開発を目指して共同研究を実施しています。
今回は「国際共同シンポジウム(1月9日)」と「試料分析実験(1月15日)」の内容をご紹介します。
国際共同シンポジウム(2024/1/9)
当日は、来日したデンプ人文科学大学の学生たちに加えて、名城大学の学生も多数参加しました。まず、最初に丸山教授が、開会のあいさつとともにナノマテリアル研究センターの活動について紹介しました。続いて、坂東俊治教授(理工学部・応用化学科)から、カーボンナノチューブの基本的な物性の紹介にフォーカスした発表がありました。
デンプ人文科学大学からは、Bhanudas Naik准教授が「Synthesis Applications of Advanced Materials」をテーマに、同大学での材料研究とその応用を中心に発表を行いました。金属酸化物や多孔質材料から、バイオテクノロジーを利用した高分子膜までさまざまな材料研究の紹介がありました。最後に、ナノマテリアル研究センター ポスト・ドクター(PD)のKamal P Sharmaさんが「Synthesis of Carbon nanotube and related materials」と題して、カーボンナノチューブの構造制御に関する研究発表を行いました。
参加者はそれぞれの発表を真剣に聞き入っており、発表後にはたくさんの質問があがりました。
最後に坂東教授が閉会のあいさつをしてシンポジウムは終了しました。
試料分析実験(2024/1/15)
丸山研究室と永田研究室の学生の補助を受けながら、デンプ人文科学大学の学生は核磁気共鳴分光器(NMR)とX線光電子分光(XPS)を使って、持参した試料を分析しました。
【核磁気共鳴分光器(NMR)】
分子を磁場中に置くと、分子中の水素原子が特定の電磁波を吸収できる状態になる。この吸収を解析することで、分子の構造についての情報が得られる。溶液状態の有機化合物の構造を調べるのに有力。
【X線光電子分光(XPS)】
物質にX線を照射すると、表面から光電子が放出される。光電子のエネルギーを分析することで、試料を構成する元素の種類や、その化学結合状態を決定することができる。様々な固体物質の表面元素分析に有力。
デンプ人文科学大学の学生は、分析の経過を時折スマートフォンで撮影したり、名城大学生に何度も質問したりしながら、分析を進めていました。
この日は来日してから約1週間が経過しており、試料によっては分析に時間を必要とするものがあったので、そういった待ち時間に日本の印象を聞いたところ、「日本は人々がとても親切だし、どこも清潔で快適だ」「宗教上の問題で食べ物には少し苦労している」「デンプ人文科学大学は、ゴアという年じゅう暖かいところにあるので、日本滞在中に一度は雪を見てみたい」などと答えてくれました。
デンプ人文科学大学の学生は、この後も引き続き試料分析や作製を行い、学内外の研究施設や実験施設の見学なども予定されています。最後に今回のプログラムの成果発表交流会、修了式および意見交換会を経て、インドへの帰路の途につく予定です。
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