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<プレスリリース>外来患者の急性腎障害、夏に増加 ―若年層で顕著な季節差を確認―(薬学部・酒井隆全)

公開日時:2026.07.28
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熊本大学大学院薬学教育部博士課程の坂﨑友香大学院生、大学院生命科学研究部の近藤悠希准教授、石塚洋一教授、名城大学薬学部の酒井隆全准教授らの研究グループは、日本の保険者レセプトデータ注1)を用いて、外来患者を中心とした市中発症急性腎障害(AKI)注2,3)の発症が夏季に増加することを明らかにしました。
解析の結果、AKIの発症は6月から7月にかけて増加し、7月に最も高くなりました。2月と比較した7月の発症率比(IRR)注4)は約1.2倍であり、特に0〜19歳の若年層では約1.5倍と、夏季の増加傾向が顕著でした。
本研究は、外来患者を中心とした市中発症AKIに季節性が存在する可能性を示すものです。ただし、レセプトデータに基づく解析であり、気温、湿度、脱水、暑熱曝露などを直接測定したものではありません。そのため、夏季の環境要因がAKI発症に関与する可能性を示唆する結果であり、因果関係を直接証明したものではありません。
今後、検査値データや臨床情報に加え、気温や湿度、暑さ指数などの環境情報を組み合わせた研究を進めることで、季節を考慮したAKI予防対策の確立に役立つことが期待されます。
 
本研究成果は、令和8年7月27日(英国時間10時)に科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。
本研究は、JSPS科研費 JP19K13914の助成を受けて実施されました。

 

【ポイント】
・日本の大規模レセプトデータ(診療報酬請求情報)を用い、外来患者を中心とした市中発症急性腎障害(AKI)の季節変動を解析しました。
・AKIの発症は6月から7月にかけて増加し、7月に最も高く、2月と比べて約1.2倍でした。
・特に0〜19歳の若年層で夏季の増加傾向が顕著であり、季節性や環境要因を考慮したAKI予防の重要性が示唆されました。

 


 

【掲載論文】
雑誌名:Scientific Reports
タイトル:Seasonality of acute kidney injury incidence in Japanese outpatient
著者名:Yuka Sakazaki, Yuki Kondo, Mizuki Okuma, Ayaka Seki, Takamasa Sakai, Tetsumi Irie, Yoichi Ishitsuka
掲載日時: 2026年7月1日
DOI: 10.1038/s41598-026-61190-6

 


 

【用語解説】
*1 レセプトデータ
 医療機関や薬局が保険請求のために作成する診療情報のデータ。病名、診療行為、処方薬などの情報が含まれる。
*2 急性腎障害(AKI:Acute Kidney Injury)
 短期間で腎機能が低下する状態。重症化すると、入院や透析などが必要になることがある。
*3 市中発症AKI
 入院中ではなく、地域社会や外来診療の中で発症したと考えられるAKIのこと。
*4 発症率比(IRR:Incidence Rate Ratio)
 ある時期や条件と別の時期や条件で、病気の発症頻度を比べるための指標。1より大きい場合、比較対象より発症頻度が高いことを示し、例えば1.2であれば約20%高いことを意味する。

 


 

詳細はこちら

https://www.meijo-u.ac.jp/news/asset/9b8e2431c59c1f0aa593b8430fdf4499.pdf

 

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