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<開催レポート>カーボンニュートラル研究推進機構 第7回研究交流会 ~野依良治客員教授を迎えて~ を開催(2025/3/10)

公開日時:2025.03.13
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名城大学カーボンニュートラル研究推進機構は、第7回研究交流会を2025年3月10日(月)に対面で開催しました。当日はコアメンバーを中心に16名が参加しました。

 

コアメンバーは、当機構の3つの研究グループ「政策」「環境」「新素材」のいずれかに属している本学の研究者で構成され、その研究分野は多岐に渡っています。この研究交流会は、研究分野や学部の垣根を越えてコアメンバー間の相互理解を深め、メンバー同士の交流の促進を図ることを目的に2022年度から開催されており、今回で7回目を迎えました。

 

今回は特別バージョンとして、野依良治客員教授をゲストとしてお迎えし、大野栄治機構長とのトークセッションを行いました。当機構は多数の学部や多岐に渡る研究分野の研究者が集まっている、本学でも稀有な組織です。野依客員教授に「カーボンニュートラル」をキーワードに、文理融合や学際連携の意義などを含めて、ご自身の経験や思いなどをお話いただき、当機構の今後の活動に活かしたいという思いがありました。

 

まず、カーボンニュートラルの実現に向けて、大学としての役割や産官学での価値観の違いなどから話は始まりました。野依教授のユーモアあふれるトークに、しばしば参加者の笑いが溢れました。

 

たくさんのトークのなかでも印象的だったのは、「世間は『科学技術』のみに問題解決を求めがちだが、自然の摂理に照らし合わせて、カーボンニュートラルは本当に実現可能なのかというところから再検討する必要がある。その場合、科学技術だけでは限界があり、経済性や倫理などのいわゆる人文社会学による洞察が不可欠である。世界の多くの国や人々が自ら望んで意図して作り上げてきた、便利な社会構造のなかで、人類がいかに生きていくのかを謙虚に考える必要がある。ELSI( 倫理的・法的・社会的課題)として問いかけなければならない。卓越した科学技術だけでは無理がある。むしろ『価値観のイノベーション』が不可欠」という野依客員教授の言葉でした。当機構の存在意義や目指すべき形が見えてくるようでした。

 

参加者からも、それぞれの視点での質問がたくさんあがりました。あっという間に予定していた1時間半が過ぎていきました。最後に、参加者から感謝の意を込めて野依客員教授に大きな拍手が送られ、2025年度最後の研究交流会は終了しました。

 

当機構は来年度4年目を迎えます。40名からスタートしたコアメンバーは67名にまで増えました。今後も「カーボンニュートラル」をキーワードに、総合大学ならではの研究分野や学部を越えた横のつながりを強化していきます。研究内容が直接カーボンニュートラルに関連していなくても問題ありません。本学の研究者はぜひ参加をご検討ください。

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