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<開催レポート>11/15(水)具体的な構造物を対象としたディスカッションセミナー 第1回「激甚化する豪雨に備える河川堤防の技術課題と解決策」を開催

公開日時:2023.11.21
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自然災害リスク軽減研究センターとカーボンニュートラル研究推進機構は、公益社団法人 地盤工学会中部支部と共催で、河川堤防の浸透問題を題材として実務に携わる技術者・研究者が相互にディスカッションを行うスタイルのセミナーを2023年11月15日(水)に名城大学天白キャンパスで開催しました。

 

具体的な構造物を対象としたディスカッションセミナー 第1回「激甚化する豪雨に備える河川堤防の技術課題と解決策」と題されたセミナーに、学内外から100名以上が参加しました。

 

冒頭に、小高 猛司(理工学部・社会基盤デザイン工学科)教授から、登壇者3名の紹介に続いて、本セミナーの主催である「自然災害リスク軽減研究センター」と「カーボンニュートラル研究推進機構」に関する紹介がありました。

 

その後、地盤工学会中部支部のワーキングリーダーである松田 達也(豊橋技術科学大学・建築・都市システム学系)准教授から、開会のあいさつがありました。

 

 

第1部:話題提供

流域治水時代における河川堤防の整備・管理

久保 宜之 氏(愛知県建設局・治水防災対策監)は、現状認識として、『流域治水とは何か』『なぜ今、流域治水が必要なのか』という話題で口火を切りました。続けて、『流域の人命と財産を守る河川堤防』『現在の河川堤防』『流域治水×河川堤防を考える』といったトピックで、実際の事例と共に話題を提供しました。「従来は専門家集団が役割分担をして進めてきたが、今後は集団同士が連携し、コミュニケーションを取りながら進めていかないといけない。気象や洪水の予測情報は充実してきているものの、予想をはるかに超えた災害が起こる可能性が高くなっており、100年先を見越したうえで、今この数年をどう過ごすかという視点を持って欲しい」と話しました。

 

 

河川堤防の被災事例と照査・設計の将来展望

石原 雅規 氏(国立研究法人土木研究所・上席研究員)は、『法(のり)すべりによる堤防の壊れ方』をさまざまな写真や図表などを用いて説明しました。続いて、『進行性を考慮した法すべりの破壊確率』について解説し、進行性を考慮すると、破壊確率の変化が感覚に一致することを示しました。最後に「基盤漏水は大変難しく、これに関しては研究課題が山積していると考えている」と話しました。

 

 

河川堤防浸透対策の実務の現状と研究開発

李 圭太 氏(日本工営株式会社・執行役員エクゼクティブエンジニア/名城大学・特任教授)は、『国内における適用基準』として、河川管理施設等についての構造基準である『河川管理施設等構造令』や『浸透に対する安全性照査手順』について解説しました。続いて『飽和-不飽和浸透流解析』や『円弧すべり計算』などを検討事例を用いて説明し、浸透に対する対策である『断面拡大工法』や『ドレーン工法』などさまざまな工法を紹介しました。「各工法にはそれぞれ特徴や留意点があり、状況等に適した工法を選ぶ必要がある」と述べました。

 

第2部:パネルディスカッション

流域治水時代における河川堤防技術者の課題と担う役割 ~日頃の疑問や悩みを共有し、解決の糸口をともに議論しましょう~

第1部で話題提供した3名をパネリスト、小高教授をコーディネータとして、事前に募った多数の質問に対する回答を中心にディスカッションが進みました。現場の具体的な疑問や悩みに対する各パネリストの発言に、参加者は一様に聞き入っていました。

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