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- <レポート>初めて「ナノテラス」を利用しました(2024/11/19)
理工学部・社会基盤デザイン工学科の小髙猛司教授が、名城大学として初めて「ナノテラス」を利用しました。
ナノテラス(Nano Terasu)について
「ナノテラス」は、東北大学青葉山新キャンパス(宮城県仙台市)に建設された次世代放射光施設で、1メートルの10億分の1というナノの世界を観察することができる世界最高水準の大型施設です。
名城大学と東北大学は、2019年にそれぞれの特色や教育研究資源を生かして相互に連携協力し、自然災害等の減災研究や「ナノテラス」を活用した先端研究等、卓越した学術研究を通した人材の育成や教育の充実に寄与することを目的とした、包括連携協定を締結しています。本学は「ナノテラス」のコアリションメンバーとなっています。
ナノテラスの詳細はこちら
ナノテラス利用前(約3ヶ月前~)
小高教授は、大地震時の液状化発生に及ぼす砂地盤の骨格構造の影響や液状化対策に有効な新しい改良土の開発の研究をしています。以前からX線CTを用いて砂地盤の骨格構造の可視化の研究をしてきましたが、今回ナノテラスを利用して、より高精細に砂地盤や改良土の骨格構造を可視化したいと考え、2024年8月頃からPhoSICに相談を始めました。
PhoSICとのメールやオンラインの打ち合わせを通じて、最適なビームライン(設備)を選定や測定サンプルの準備の検討を進め、スケジュールを確定させたところで、ナノテラスの利用手続き(予約)をしました。このように、ナノテラスを利用する際は、事前にPhoSICの担当者と複数回の打ち合わせが可能なので、事前に疑問点などを解消することが可能です。
ナノテラスでの実験(2024/11/19)
当日は、小高教授と研究室の夏目 将嗣さん(修士課程2年)、 中島 真唯さん(4年生)、田中 颯人さん(4年生)が実験に臨み、学術研究支援センターURAも同行しました。
測定サンプルは、事前に研究室で準備して持参したもののほか、名古屋から仙台への長距離移動によって破損の懸念があるものは、当日現地で準備しました。
PhoSICスタッフ(写真は八木直人先生)のサポートを受けながら、測定サンプルをX線の前に設置します。測定サンプルにX線を照射し、測定サンプルを可視化(イメージング)した結果をモニターで確認。その結果をもとに次の測定サンプルの測定方針を検討しながら実験を進めます。
実験は予定通りに終了しました。従来のX線CTでは、画像を取得するために1サンプルにつき1時間以上必要であるのに対して、ナノテラスではわずか数分で、より高精細な画像の取得まで完了するため、多くのデータを効率よく得ることができました。これらのデータは、研究室に持ち帰って詳細な解析を行い、大地震時の液状化発生予測や有効な対策工の開発につなげることを目指します。
最後に
本学初となる「ナノテラス」利用は、「ナノテラス」の素晴らしさを実感する貴重な機会となりました。また、利用ノウハウの蓄積も進みつつあります。これから、本学のさまざまな研究分野において「ナノテラス」を利用した先端研究を積極的に進めていきます。
コアリションメンバーである本学は、ナノテラスを年間200時間の利用が可能です。今後、産官学連携や共同研究を含めた活用も進めていきます。少しでも興味を持った本学研究者は、学術研究支援センターURAまでお問い合わせください。