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【採択研究紹介】イネ茎部における出穂後のデンプン分解制御に 関与する遺伝子の機能解析

公開日時:2024.04.01
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プロジェクト部門 令和5年度研究成果展開事業費 研究代表者:平野達也(農学部・教授)

研究内容・今後の展望

イネは、アジアを中心に世界30億人以上の人々の主食となっており、限られた耕地面積に対してその需要を満たすためには、単位面積当たり収量を向上させることが必要です。収量向上を目指して、穂が大きいイネ品種が育成され、その形質を制御する遺伝子もいくつか明らかになっています。しかし、穂が大きく、籾数が増えたイネでは、籾の中身である玄米を充実させるための光合成同化産物がさらに多く必要になります。それが不足すると、実りが悪化し、穂が大きい特徴を十分に発揮できないことから、実りつつある籾への同化産物の供給過程およびその制御の仕組みを明らかにすることが重要です。

 

イネは、出穂前までに、余剰な同化産物をデンプンとして一時的に茎に貯め込み、出穂後にはそれをコメの実りに利用します。しかし、茎に蓄積したデンプンが分解されて糖になり、穂へと運ばれていく過程の制御の仕組みはよくわかっていません。そこで、わたしは、茎に蓄積したデンプンの分解過程とその重要性を明らかにするべく、2006年度以降、科研費に継続的に採択されて、さらに本学の学術研究奨励助成制度でのご支援をいただきながら、研究室の学生や学内外の共同研究者とともに研究を展開してきました。その結果、茎でのデンプン分解に関与するいくつかの遺伝子を明らかにし、その機能を低下させるとコメの実りが実際に悪化することもわかりました。また、デンプン分解が速やかに生じる品種が有する、デンプン分解性を制御する遺伝子の同定も現在進めています。

 


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