【デジタルパンフレット】総合研究所30周年記念誌
7/128

2総合研究所は令和 6 年度に創立 30 周年という記念すべき節目を迎えました。1994 年の発足以来、本研究所は文理融合型の研究組織として学際的な研究を推進し、本学の研究力を支えてまいりました。このたび、その歩みを記念誌としてまとめることができましたのも、ひとえに長年にわたりご尽力くださった所員の皆様、並びに関係各位のおかげであり、ここに深く感謝申し上げます。私なりに総合研究所の創設当時を思い返しますと、本学における研究環境は、制度的にも財政的にも現在ほど整備されておらず、研究者が主体的に研究を進めるための環境づくりは常に模索の中にありました。研究設備や情報インフラも十分とは言えず、最新の知見を取り入れたり先進的な研究を展開したりするにも多くの困難が伴いました。研究費の多くは限られた公的資金に依存しており、研究活動も個々の教員の努力や人的つながりに大きく依拠していたのが実情です。研究活動を組織的に支える枠組みや分野横断的な連携の仕組みにおいても十分には整っておらず、先進的な取り組みを行おうとする研究者にとっては、制度や体制の整備そのものが大きな課題でした。そのような背景の中で本研究所は、学際的な研究を推進するための基盤づくりを先導する存在として誕生し、研究力を大きく掲げる本学がさらなる成長を目指す上で、重要な転換点となりました。当時、情報インフラが整備されていない中で、限られ学 長た資源と情報の中で研究者同士が専門を越えて協働し、新たな知を生み出すことを志向する場が形成されたことは、まさに先駆的な取り組みであったと言えます。現在では、ノーベル賞受賞者を 2 名輩出した国内唯一の私立大学として、総合研究所に求められる役割はより一層大きなものとなっていることを実感しています。「学術研究奨励助成制度」では、研究者にとって単なる資金的支援に留まらず、新たな共同研究の創出や若手研究者の育成、研究成果を学内外に発信する機会ともなっており、教員の研究者としての成長を促す土壌ともなっています。特に若手研究者にとっては、科研費を始めとする外部資金獲得へつながる第一歩としての意義も大きく、本学の研究力を底上げするための登竜門の一つとして、重要な役割を担っていると確信しています。こうした研究活動を通じて得られる知見を教育の場に継承し、その循環が「研究の名城」を標榜する本学における教育・研究の一体性を支える重要な基盤であり続けることを強く願うものであります。最後に、学長として本研究所のさらなる発展を心より期待し、研究成果が広く社会に還元されるよう、関係者の皆様とともに力を尽くしてまいります。野 口  光 宣総合研究所 30 周年記念誌の発刊に寄せて

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る