1名城大学総合研究所が創立 30 周年を迎え、2025 年度に実施しました記念事業の締めくくりとして、本記念誌を発刊する運びとなりました。総合研究所は、地球規模の社会課題の解決に向けた異なる学術分野の連携を志向して設立されました。当時としては極めて先駆的であり、かつ令和の現代においても尚、困難と思えるミッションを背負いながら、30 年の永きにわたり本学の学際研究の推進拠点として走り続けてこられましたのは、創設時の理念のバトンを繋いでこられました歴代の所長をはじめ、運営委員、所員、研究員、そして事務職員など数多くの関係者の絶え間のないの努力の賜物と存じます。この場を借りて深甚なる敬意と謝意を表します。総合研究所は学内に特定の研究施設を持たないことから、設立当初は “ 姿なき研究所 ” と呼ばれていました。その呼称は、” 姿の見える研究成果 ” を輩出し続ける自負と決意に裏打ちされたものだったと確信しております。創設時の総合研究所は、文部科学省の大型事業の採択に大きな役割を果たし、「青色 LED」と「カーボンナノチューブ」の名城大学の研究ツインブランドの確立にまで繋げました。2003 年設置の学術研究支援センターに外部資金獲得のミッションを引き継いだ後、総合研究所は経常費補助金を効率的に活用して学内に競争的研究費を広く配分することによって、本学の個々の研究活動を推進する役割を担ってきました。2003 年にそれまでの学内助成を再編して設置した「学術研究奨励助成制度」は、本学の研究 基盤を一貫して下支えしていますが、2011 年に「研究センター制度」が加わったことにより、総合研究所は、本学の研究を統括する組織としての明確な姿を表しました。大学の主な使命は、教育、研究、社会貢献ですが、かなり以前より、様々な指標毎の数値化によるランキングが公表されるようになり、大学の序列化が進行しています。所 長とりわけ研究に関しては、その経費は自らが努力して獲得するものとの認知が定着し、学外からの獲得研究費の大小が大学の評価に多大な影響を及ぼしています。そのような社会情勢の中、科研費をはじめとした外部資金獲得の準備段階の基礎研究を支援してきた総合研究所が果たしてきた役割は極めて大きいものと言えます。学術研究奨励助成制度については、科研費獲得支援の位置づけをより明確にするために、2024 年からはすべての費目において、科研費獲得に努力していることを要件化しており、今後、より一層本学の研究活動の活性化に役立つことが期待されます。また、創造型実学を標榜する名城大学にとって、研究活動の見える化は極めて重要です。研究成果を広く社会に還元するためには、誇り高き姿なき研究所から大きく踏み出し、積極的に本学の研究活動をわかりやすく社会に伝える努力が必要となります。その一つとして、ツインブランドの 2 つの研究センターをはじめ、大学の特命で設置されていた複数の研究センターを 2022 年に「大学領域指定研究センター」として総合研究所の中に再編し、総合研究所が本学内で活動する研究センターを一元管理する形としました。その再編により、総合研究所は名実ともに、本学の総合学術研究を統括する拠点として変革を遂げています。本学の研究情報 WEB サイトMRCS に総合研究所のページも立ち上げ、積極的な情報発信に取り組んでいます。本誌は、2016 年発刊の総合研究所 20 年史以降の 10年間を主に振り返るとともに、現在の研究活動を紹介する構成としております。本誌を通じて、名城大学の研究の発展と将来を感じ取っていただければ幸甚です。最後になりましたが、執筆ならびに編集に携わっていただきましたすべての皆さまに厚く御礼申し上げます。小 髙 猛 司発刊の辞
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