1. はじめに人工知能と異分野連携研究センター研究代表者みました。脂肪滴は互いに重なりがあるため、専門家が見ても正しい個数が分かりにくいです。重なりのある粒子の検出は従来の深層学習をそのまま適用しただけでは解けない問題です。深層学習による距離予測と信頼度の投票という新たな考え方を導入することにより、重なる粒子を精度良く検出できるようになり、公開データセットで世界一の精度を達成しました。この時の結果を図 1 に示します。図 1 の(a)が粒子同士が重なっている入力画像、(b)が深層学習の 1 種である Convolutional Neural Network (CNN)を用いた場合の結果になります。2 つの粒子が重なっていますが 1 つの粒子として検出してしまってます。(c)は投票に基づく提案手法の結果になり、重なった粒子の中心がはっきりと見えてます。(d)は再投票を用いて提案手法を改良した場合の結果になり、(c)の結果よりもさらに粒子の中心が明確になっていることが分かります。また、顕微鏡で撮影された細胞画像から細胞核や細胞膜をセグメンテーションの研究も行い、研究室で提案した手法を基にした細胞生物学的な研究成果も出ています。細胞生物学以外にも人工知能技術の需要は広がり、医学、植物学、材料工学、土木工学の専門家達との共同研究にも取り組み、多数の成果を挙げている。深層学習などの人工知能の研究は世界中で非常に活発に行われ、毎日 arXiv に新しい論文が投稿され続けている。こうした背景から、名城大学に人工知能の研究および異分野との連携に主眼を置いた研究センターを設立し、人工知能を専門とする研究者と、人工知能に興味を持ち、利用し始めている研究者達が連携することにより、名城大学の様々な分野の研究をさらに加速すること29第三篇研究活動本研究センターは 2025 年の 4 月に立ち上がったばかりですので、まずは研究センターを立ち上げた経緯から説明したいと思います。2024 年のノーベル物理学賞、化学賞ともに人工知能関連であったことから分かるように、今や人工知能は単なる工学の一技術ではなく、様々な分野の新しい基盤技術の 1 つになってます。そこで、名城大学にも人工知能の研究者と異分野で人工知能に関心のある研究者が一緒に研究を進める場所が必要なのではと考えたわけです。研究代表者である堀田は学生時代から一貫して機械学習を用いた画像認識の研究を行ってきました。2012年に ILSVRC という画像認識の世界的なコンテストにおいて、 ノーベル 物 理 学 賞を受 賞したトロント大 学 のHinton 教授らのチームが深層学習を用いた方法により圧倒的な 1 位を取ったことをきっかけに、アメリカを中心に現在の人工知能(深層学習を用いた画像認識、画像生成、自然言語処理などの総称)ブームが始まりました。堀田は 2012 年に在外研究によりアメリカメリーランド大学に滞在し、現地で深層学習を知り、帰国後に本格的に深層学習の研究を始めたため、日本では早い段階から深層学習の研究に取り組むことができました。これは非常に幸運でした。2012 年以降、画像認識や機械学習の分野では深層学習が研究の中心となりました。私も深層学習の改良研究を行ってきましたが、深層学習や人工知能技術が異分野でも話題になり始め、科研費の新学術領域に参加して細胞生物学の研究者達との共同研究を行うようになりました。まず、細胞内の脂肪滴という粒子検出に取り組堀 田 一 弘―研究紹介(研究センター)―
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