3. 研究紹介①(医用画像解析グループ)4. 研究紹介② 薬理病態解析グループ5. おわりに携わる 12 名の研究者からなる組織です。本センターでは、研究目的に応じて「医用画像解析」「生体情報解析」「薬理病態解析」の 3 つの研究グループを設けています。医用画像解 析グループでは、CT や MRI、内視鏡、病理画像などを対象に、疾患の検出や良悪性の鑑別などを行う AI 技術を開発しています。生体情報解析グループでは、心電図や脈拍、心音、脳波などのバイタルデータを対象に、循環器疾患や神経疾患の早期発見につながる解析を行っています。これらの信号データから異常を検出したり、治療効果を予測したりする AI モデルを構築することで、安全で効率的な医療の実現を目指しています。薬理病態解析グループでは、医療データや実験動物の行動・表情などを解析し、疾患の発症メカニズムや薬の作用、副作用を予測する研究を進めています。また、生活習慣病や精神神経疾患に関するデータを AI 技術で解析し、発症予防や創薬研究につながる基盤技術の確立を目指しています。これらの 3 分野が連携することで、単一の視点では得られない学際的な医療 AI 研究を推進できることが、本センターの大きな特徴です。さらに、他大学の研究者が本学で研究を行いやすい環境を整備するとともに、本学の教員が医療現場での共同研究を進められるよう、名城大学天白キャンパスと藤田医科大学豊明キャンパスの双方に活動スペースを設けています。このような研究拠点を持つことで、学内外・医薬工の垣根を越えた実践的な連携を促し、より現場に根ざした研究展開を目指しています。医療現場では、患者から収集された画像や検体などをもとに診断を行い、その結果をレポートとしてまとめることが求められます。しかし、この作業は医師にとって時間的負担が大きく、業務効率化の大きな課題となっています。本研究では、医用画像を解析し、レポート文を自動生成する AI 技術の開発に取り組んでいます。画像の内容を理解する画像認識 AI と、文章を生成する自然言語処理 AI を組み合わせることで、画像から診断レポートを作成する仕組みを実現します。医師から提供された画像とレポート文のペアを、名城大学に設置された高性能計算機で AI に学習させることにより、正確かつ自然な表現で所見を生成できるモデルの構築を目指しています。この技術が実現すれば、医師が画像から異常を見つけたりレポートを記述したりする負担を軽減し、より多くの時間を患者のケアや高度な診断、研究活動に充てられるようになることが期待されます。薬の効果や副作用を正確に評価するには、実験動物の行動や表情を客観的に解析することが重要です。本研究では、この解析を AI 技術で自動化する手法の開発に取り組んでいます。具体的には、ストレスによりうつ状態となったマウスと正常なマウスの顔をカメラで撮影し、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network, CNN)を用いて、うつ状態特有の表情かどうかを判定するモデルを構築しました。その結果、判定の正解率は 90%を超え、高い精度で表情解析が可能であることを確認しています。さらに、幻覚剤を用いたうつ病治療における有効性や副作用の評価にも AI 技術を応用しています。副作用として観察されるマウスの高速な首振り運動を定量的に評価するため、ハイスピードカメラと物体検出 AI を組み合わせて、行動解析を行う研究を進めています。メディカル AI 研究センターは設立から 2 年目を迎え、研究基盤と連携体制が着実に整ってきました。医療 AI分野では扱うデータが増加し、より高度な基盤技術の開発が求められています。今後は多様な医療情報を活用した研究を推進するとともに、学生や若手研究者が継続的に参加し、成長できる環境づくりを進めてまいります。2830th Anniversary図 2 診断レポート(所見文)生成例
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