【デジタルパンフレット】総合研究所30周年記念誌
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コンピュータ科学という文理融合領域での成果と言っても良いかも知れません。先日カナダのトロントで Hinton 氏と 30 分ほど議論する機会が有りました。いろんな話をしましたが、やはり心理学の知識、経験は AI 技術の創出に大いに役に立ったとのご意見でした。以上述べたように大きなイノベーションは学際領域、文理融合分野で起こっているのが最近の流れです。このような背景から本学の総合研究所に期待するのは次のような点です。そもそも 1994 年に設立当初、総合研究所には、自然・環境部門、人文・社会システム部門、人間科学部門、物質・科学部門の 4 つの部門が設けられスタートしました。この当初の組織はまさに学際領域、文理融合のコンセプトを濃厚に反映されたものであった考えています。その後部門組織は研究センター部門、プロジェクト部門、大学指 定領域部門の 3 つの部門に再編されると共に2022 年 4 月からはこの 3 部門とは別にカーボンニュートラル研究推進機構が発足しました。私も名誉顧問として参画しています。新進気鋭の研究者をグループリーダーとする政策、環境、新素材の 3 つの研究グループが設置され、多様な分野にわたる専門家の知恵を融合してカーボンニュートラル達成に向け、テーマ創出、研究推進、研究成果発信などの活動が進められています。研究交流会が定期的に開催され、毎回多くの研究者が参加し研究分野を越えた活発な異分野研究交流の場となっています。典型的な学際領域、特に文理融合領域的な分野での活動が進められています。大きな成果が生まれてくることを期待しています。2050 年にカーボンニュートラル社会の実現を各国ともに目指しています。間違いなく 2050 年には実現しているでしょう。その実現には多くのイノベーションが生まれ、社会が一変している筈です。そのイノベーションの大半は学際領域、特に文理融合領域での研究成果であろうと思われます。何故ならばカーボンニュートラル社会は単なる技術開発だけでは実現しません。新しい社会システムの創出と連動しなければなりません。この新しい社会システムの創出は社会学、経済学、政治学など人文科学的な領域に属します。しかしながら、社会学、経済学、政治学など人文科学的な領域だけでの眼では2050 年の世界は見えてこないでしょう。やはり、技術進歩との連動が必要です。2050 年までには実現されるであろう技術革新を踏まえれば、現在では不可能と思われるような新しい社会が考えられるようになります。また、逆に新しい社会を誰かが発想した時に、それを実現するには、こういう技術革新が必要だと明らかになれば新たな研究開発目標が明確になります。このように文理融合しながらキャッチボールを何度も何度も繰り返し、2050 年の世界が生まれてくるのではないでしょうか。総合研究所全体についても同じことが言えると思います。学際領域、文理融合領域にしても異分野のことをお互いに理解するのは容易いことではないと思いますが、本学の総合研究所という組織をうまく活用すれば、その困難を乗り越えていくことは可能だと思います。是非、2050 年に向けたイノベーションを本学から世界に発信できることを楽しみにしております。1230th Anniversary

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